

ロックユーアジア株式会社は、2009年2月に設立され、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に対して、SNS内でのユーザ間のコミュニケーションをより活発にするゲームやツールを提供しています。ソフトバンクグループの中でももっとも若い会社になりますが、SNSの魅力を今後さらに広げる可能性を秘めています。そのような同社の事業と今後について、同社執行役員COOの渡邉 廣明にインタビューいたしました。
ソーシャル・ネットワーク・サービス、通称SNSは、インターネット上で人と人とのつながりを促進するためのコミュニティ型のWEBサイトとして、近年多くの人々に利用されています。代表的なSNSとしては、日本ではmixi(ミクシィ)、海外ではアメリカのMySpace(マイスペース)やFaceBook(フェイスブック)、中国のRenRen(レンレン)などが挙げられます。SNSは多くの場合、「友達同士のコミュニケーションを図る場」として利用されていますが、SNS上でのコミュニケーションをさらに楽しいものとするためのアプリケーションを提供しているのが、ロックユーアジアです。

ロックユーアジアは、米国のRockYou!社(2005年設立)が提供しているサービスを、日本およびアジアで展開するため、2009年2月に設立されました。「米国ではSNS向けにコミュニケーションを活性化させるツールを提供するサービスは一般的ですが、日本ではまだほとんどありません」と語るのは、同社執行役員COOの渡邉です。そしてSNSの持つ可能性について、次のように解説します。「SNSには人が多数集まります。しかも集まっている人は友達同士としてつながっていますので、情報がどんどん広まっていきます。例えばゲームなどのポータルサイトを立ち上げたとして、そこに人を呼び込むためのプロモーションやマーケティングにかかるコスト、さらにその効果を考えると、比較にならないほどのパワーを持っています。SNSは、アプリケーションやゲームを流通させていくための新しく、かつ強力な手段と考えています」(渡邉)
コミュニケーションを活性化させるための具体例として、同社最新のアプリケーション「スピード★レーシング」を見てみます。「スピード★レーシング」は、SNSの会員がまずSNS上で自分の車を所有します。車には普及タイプから高級なものまであり、それを自分なりにチューニングやアレンジを施していきます。そしてその車で友達とレースやツーリングをしたり、また互いに自慢しあったりといったコミュニケーションが生まれます。チームを作って世界各国の都市をツーリングしたり、レースで勝利して貯めた仮想通貨で車を改良できるなどの仕組みがあり、システムは単純ですが、思わず友達とコミュニケーションを取りたくなる仕掛けが随所に施されています。

「8月末にサービスを開始してから1ヵ月間で、38万人を超える方に楽しんでいただいています。この間ほとんどプロモーションをしていませんが、このゲームをやりたいということでSNSに友達を誘ったり、見知らぬ人同士でチームを組むためのコミュニティがSNS内に多数誕生し、たいへんな賑わいを見せています。私たちはこれらのコミュニケーションツールを、“ソーシャルアプリケーション”“ソーシャルゲーム”と呼んでいますが、これらの普及を通じて、SNSの価値をさらに向上させるサービスを提供していきたいと考えています」(渡邉)
現在日本国内向けには、SNS最大手のmixi向けにサービスを提供しており、「スピード★レーシング」を始めとした5タイトルが楽しめます。年内には合計10タイトルがリリースされる予定です。

同社はビジネスモデル面でも、インターネットで主流の広告モデルとは一線を画しています。それは「アイテム課金」と呼ばれるモデルです。
「米国のSNSと比べると、日本やアジアのSNSでは、デザインや利便性の観点から広告の出し方には一定の制限があります。そのため、広告だけに依存というわけにはいきません。その一方でアジア圏のユーザの方は、オンラインゲームなどでゲーム内のバーチャルアイテムなどを購入することに、ほとんど抵抗がないという傾向があるのです」(渡邉)
このため、ゲーム内で流通するアイテムを、お客様に購入していただくことで課金するスタイルを同社は採用しています。そして前述の「スピード★レーシング」であれば、新車や車の部品などを購入いただくことで、お客様はいっそうゲームを楽しむことができ、友達とのコミュニケーションが活発化していきます。さらに定期的なイベントなどでお客様の興味をつないでいきながら、SNSのコミュニケーションの力でお客様が増えていくことで着実に利益を上げることができるのです。

国内向けにはmixiへのサービス提供を行っていますが、「ロックユーアジア」の社名にあるように、アジアワイドでのビジネスもスタートしています。「中国最大級のSNSであるRenRen(レンレン)に6月よりサービスを開始しました。10月1日には、韓国の大手SNS『Cyworld(サイワールド)』でもサービスが始まりました。もともと米国製のアプリケーションを日本やアジア向けにローカライズしていますが、日本やアジアでは米国より高いクオリティを求められるため、私たちもその要求に応えられるアプリケーションを製作しています。今後は携帯電話向けのサービスにも力を入れていきますので、これら日本で製作したクオリティの高いコンテンツを、米国にどんどん逆輸入していきたいと考えています」(渡邉)と、今後の抱負を語りました。
ロックユーアジアでは今後もコンテンツの拡充に努め、またクオリティの高いアプリケーションを続々投入していきます。SNSをもっと楽しくするロックユーアジアの今後の展開に、どうぞご期待ください。
(掲載日:2009年10月7日)