

ソフトバンクグループで、北海道帯広市と共同で運営している「ばんえい競馬」をはじめ、全国の地方競馬のインターネットによるレース中継や勝馬投票券(馬券)販売などを手がけることで、地域の振興に貢献しているのが、ソフトバンク・プレイヤーズ株式会社を中心とする企業群です。今回はこれらの企業の代表であり、本事業を統括しているソフトバンク・プレイヤーズ株式会社 代表取締役社長の藤井 宏明にインタビューをし、同社の取り組みや今後の展望についてご紹介していきます。
ソフトバンク・プレイヤーズ株式会社(以下、ソフトバンク・プレイヤーズ)は、傘下のオッズ・パーク株式会社(以下、オッズ・パーク)とオッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社(以下、オッズパーク・ばんえい・マネジメント)という2つの事業会社と合わせ、ITを活用したレジャーに関するサービスを提供しています。オッズ・パークは全国16の地方競馬主催者からの委託を受け、地方競馬の総合サイトを運営し、インターネットを通じた馬券の発売と払戻金の交付に関わる事務をはじめ、プロモーション活動などの業務も行っています。オッズパーク・ばんえい・マネジメントは北海道帯広市で開催されている「ばんえい競馬」に特化して、競馬場や場外馬券売場など、競馬そのものの運営に関わる多くの業務を請け負っています。

ソフトバンク・プレイヤーズは、2005年に当時の増田 寛也岩手県知事(後に総務大臣)からの「岩手競馬をインターネットで活性化させてほしい」という依頼のもと、岩手競馬の馬券販売をインターネットで行う会社として設立されましたが、サービス開始前に急展開が待ち受けていました。
当時、農林水産省傘下の特殊法人「地方競馬全国協会」の子会社である株式会社日本レーシングサービスが、「D-net*1」という地方競馬共同の在宅投票システムを運営していました。「D-net」は岩手競馬も含めて12の地方競馬を取り扱っていたのですが、この時期非常に伸び悩んでいたのです。この状況で、ソフトバンクグループが岩手県と組んで事業を始めてしまうと、岩手競馬は活性化するかもしれませんが、他の地方競馬は伸びない可能性が出てしまいます。そこで関係者で話し合い、最終的に「『D-net』を民間に事業譲渡して地方競馬全体を活性化してほしい」という結論にいたりました。その結果、同社を分割して事業会社であるオッズ・パークを設立し、ソフトバンク・プレイヤーズが中間持株会社という現在の形になったのです。

地方競馬が産業として存在することは、地域の馬文化の次世代への継承と、競走馬の血統を存続させる“種の保存”、という2つの大きな意味があります。さらにその収益は、地域の畜産や保険、教育や社会福祉などに還元されるという側面から、地方競馬は地方財政にとって本来非常に重要な役割があります。そのため、ソフトバンクグループが地方競馬を振興することは、直接的には文化的な意義があり、間接的には地方の財政への貢献につながります。
「地方競馬自体の認知度がまだまだ低いのが現状であり、商品力の面でも中央競馬(JRA)に劣る状況ですので、お客様の利便性など付加価値を高めた上で、Yahoo! JAPANとの連携などインターネットを中心としたプロモーション活動を通じて、少しずつ認知度の向上を図っています」(代表取締役社長 藤井 宏明)。
オッズ・パークでは、地方競馬からの委託を受けて、主に馬券をインターネットで販売する運営方法をとっています。一方、オッズパーク・ばんえい・マネジメントは、北海道で開催されている「ばんえい競馬」に特化し、競馬事業の運営そのものに関わっています。
2年間「ばんえい競馬」の運営に関わってきた経験を踏まえ、藤井は「今後は競馬場・場外馬券売場・インターネットなどの販売チャネルのバランスの取り方を主催者とともに分析し、提言していかなければならない立場になってきています」と述べています。今後は、「ばんえい競馬」で得たノウハウを活かし、さらに連携を深めていきたい考えです。またソフトバンク・プレイヤーズは、現在のところ競馬のみを事業としていますが、今後の事業の拡大については、「これらの活動で培ったノウハウがあれば、他の競技に活かすことも検討できます。公営競技の発展に寄与するためには、ソフトバンクグループの強みを活かしながらクオリティの高いものを提供していく必要があると考えています。その環境や準備は整いつつあります」(同)として、中長期的なビジョンに基づいて取り組んでいく考えです。
ソフトバンク・プレイヤーズは設立以来、少しずつ事業を拡大し、また組織も徐々に大きくなっており、さらなる成長のために取り組んでいます。
「これまで、民間企業として関われることが制限されてきた地方競馬産業界の中で、事業参入以来、ある一定の貢献ができていると自負しています。主催者の皆様と密にコミュニケーションをとりながら、どういう方向に進むべきかを情報共有して、地方競馬全体がうまく活性化していくようにしていきたいです。官と民が考える施策は異なるかもしれませんが、民でできることを、民ならではの違った視点から、業界に新しい風を送ることができればと考えています」(同)。
今後のソフトバンク・プレイヤーズの展開に、どうぞご期待ください。
(掲載日:2009年4月16日)